第16回 メディカルハーブセミナー&試飲会
2010.12.16.(木) 19:00~20:30
エルクレスト代々木公園店 セミナールームにおきまして
日本メディカルハーブ協会理事で
薬剤師の渡辺肇子先生によります
「メディカルハーブセミナー&試飲会」が開催されました
今日は、今年最後の試飲会です
忘年会シーズンということで
今月のテーマは「生活習慣病Ⅱ」
具体的には、肝臓をいたわるハーブのご紹介と
飲み過ぎ、食べ過ぎを想定して
糖尿病予防と痛風対策です。
《生活習慣病》
肝臓のはたらき
◇肝臓は右胸肋骨の下端にあり、成人男子では約1200g、女子では1000gあり、体内で最大、最重量の臓器である
◇多量の血液を含むため、体内でもっとも高温で、赤褐色をしている
◇肝臓のはたらきは、分泌、貯蔵、合成、分解など多岐にわたる。身体の代謝機能の中枢であり、きわめて重要な臓器である
糖のはたらき
◇グルコース(ブドウ糖)は、もっとも重要なエネルギー源であり、血液中から全身の細胞に取り込まれている
◇通常、血糖値は、内分泌や神経系による調節が行われ、狭い範囲に維持されている。食後、過剰にグルコースがあるときは、インスリンの作用にって肝臓や筋肉でグリコーゲンに変えられたり、脂肪組織で脂肪として貯蔵されたりして、血糖値は空腹状態の値まで低下する
糖尿病
◇糖尿病は、膵臓でつくられるインスリンが不足したり、はたらきが妨げられるために血糖が増加する病状。この状態が長く続くことにより合併症が起こることが多くなる
高尿酸血症
◇プリン体とは、プリン環をもつ物質の総称で、エネルギー(ATP,GTP)や核酸(DNA、RNA)の原料となる
◇尿酸は酸性の物質で、体液中では尿酸塩として存在するが、血清中濃度が7mg/dLを超えると過飽和となり、結晶が析出しやすくなる
◇プリン体が極めて多い食品は、鶏レバー、マイワシ、干物、イサキ、白子、あんこう肝酒蒸し、カツオブシ、ニボシ、干し椎茸など
◇尿を酸性化する食品は、卵、豚肉、さば、牛肉、アオヤギ、カツオ、ホタテ、精白米、ブリ、マグロ、サンマ、アジ、カマス、イワシ、カレイ、あなご、芝エビ、大正エビなど
◎本日試飲したメディカルハーブは、
ミルクシスルとマルベリーです
◆ミルクシスル (Silybum marianum)
◇科名:キク科
◇和名:マリアアザミ
◇使用部位:種子
◇作用:肝機能亢進、抗アレルギー、抗毒素、抗加齢
・やや甘みがあって、飲みやすい味
・肝臓の強化と再生にすぐれた効果を発揮
・その名は「聖母マリアのミルク」に由来することから、マリアアザミとも呼ばれている
・このハーブに含まれるシリマリンという成分は、アルコールや環境毒素などから肝臓を護るだけでなく、傷ついた肝臓の細胞を再生する働きもあるため、肝硬変や肝炎に有効といわれています
・肝機能が低下することで起こる慢性の頭痛や疲労、肌のトラブル、消化不良、イライラやうつにも役立ちます
・ヒスタミンの分泌を抑制する働きもあるため、アレルギー症状を緩和するのにも有効です
・キク科アレルギーの人は注意
◆マルベリー (Morus alba)
◇科名:クワ科
◇和名:クワ
◇使用部位:葉部
◇作用:α-グルコシダーゼ阻害による血糖調整
◇適応:糖尿病、肥満などの生活習慣病予防
・やや苦みのある味わい
・糖分の吸収を抑える働きが、ダイエットや糖尿病の予防に役立つ
・蚕が食べる葉として知られている桑の葉のこと
・食前に飲むことで効果がある
・腸内のビフィズス菌などの善玉菌の働きを高めるので、便秘の改善にも有効
◆ネトル
高尿酸血症から起こる痛風には、利尿効果の高いネトルがおススメです