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断食と免疫 佐藤義之ドクター免疫講座

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断食と免疫 佐藤義之ドクター免疫講座

2012.9.15.(土) 13:30~15:00

第12回 『免疫講座』

テーマ 「断食と免疫」


エステティック モリマサ プロフェッショナル スクール

講師:日本橋清州クリニック 院長 佐藤義之先生



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断食にまつわることわざ

 

ドイツ  「断食で治らない病気は他のどの治療でも治らない」

フランス 「断食はメスを使わない手術である」

アメリカ 「すべての薬で一番良いものは休息と断食である」

 

キリストやお釈迦様は弟子たちに「病気は断食と祈りで治しなさい」と説いていたという。

 

断食は哲学の門であると言われ、ソクラテス、アリストテレス、プラトン共に断食の経験者である。

彼らは「体の毒素が取り除かれると、思考能力が高まり心は高く舞い上がり、浄化され、体と心が生まれ変わり新しい世界が広がる」と述べている。

 

私たちの体には生きている中で多くの有害物質を取り込んでおり、CDC(アメリカ疾病対策予防センター)は人体に入ってはいけない有毒物質として212種類を定めているが、ニューヨーク市民ではそのうちの91種類を平均的に持っているという。

このような有害物質が蓄積する場所は脂肪細胞であり、脂肪が燃焼されることによって有害物質が血中を通して体外に排出される。

 

断食をしている間は、エネルギーである糖が体に入ってこないため、脂肪をエネルギー源として使用するようになり、代謝の過程でケトン体が生じ、それが増えることによって、アルファ波が出て精神が安定するため、体だけでなく精神のデトックスになる。

過食は有害物質を貯めるだけでなく、体を酸性に傾け、免疫力を低下させる

1960PCB、カドミウムが体内に蓄積することによって公害病が発生したが、なかなか治療法が無い中、この有害物質を排出させるために最も有効だったのが断食であり、断食を行った患者は神経症状の956%、皮膚症状の83%が改善したという。

 

沖縄にある自然養鶏場では、鶏は1年経つと産卵率が悪くなり、鶏卵の質も落ちてくることから一定期間を経過した鶏に対して3日間の断食を行うと、再び産卵が活発になるという。

 

 

●断食はマクロファージを増加させる


血液には血球成分である赤血球、白血球、リンパ球、血小板の他に、ホルモンなどの伝達物質、ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸、その他の食物分解産物など様々な成分が含まれており、貪食能を持つ白血球のうち、好中球、好酸球、好塩基球は細菌、ウィルスではない花粉などの異物を食べる役割を持ち、マクロファージは何でも食べるという特徴があるが、満腹時、すなわち血糖レベルが高いとき、またはアミノ酸、脂肪酸レベルなどが高い時にはこれらの細胞が遊走する能力が低下する。

したがって、血球も生物として捉える必要があり、免疫力を最大限発揮するためには細胞の一つ一つを空腹状態にしておく必要がある。

動物は病気になると動かずに、空腹によって自然治癒力を作り出そうとしている。

人間は栄養状態の維持のために時間が来ると食事をするという習慣になっているが、動物本来の姿としては空腹を感じるまでは食事をする必要はない。

 

日本で1日3回の食事が定着したのは明治の中頃で、江戸時代後期に上級武士が1日3回食事をするようになり、後に軍隊などがその習慣を取り入れたが当時は今よりも運動量が多かったという。

人類の歴史である300万年の中で1日3食が定着したのはこの数十年に過ぎず、それまでは常に飢餓との戦いであったため、ヒトの体も本来は飢餓に強く出来ているのである。

その理由として、血糖を維持する(高める)ホルモンは成長ホルモン、アドレナリン、甲状腺ホルモン、糖質コルチコイドなど多岐に渡るが、血糖を低下させるホルモンはインスリンのみである。

このことからも人類はまだ飽食に対して耐性を持っておらず、糖尿病などの疾患が起こってしまうということが言える。

 

 

●吸収は排泄を阻害する

 

通常、夜は代謝が主で、明け方から排泄の準備に入り、老廃物の処理過程は、夜から始まっており血液を浄化する。

そのため朝起きた時に目やにが溜まっていたり、口の中に分泌物の排泄、排便といったことが起こるのである。

そして消化吸収の際は胃、十二指腸、小腸など上部消化管に血液が集中し、排泄臓器の腎臓、大腸への血流が低下するため、夜遅くに食事をとることは体の代謝、排泄メカニズムを邪魔してしまう。

 

「出船入船」、「出入り口」、「出納帳」、「ギブアンドテイク」、「呼吸」など、出し入れを表現する言葉はすべて出すが先になっており、人間の体も同じであり、まず出して中身をからにしてから入れるのが本来の姿である。

 

 

●1950年と2004年の食生活のデータ比較

 

肉は9倍、卵は8倍、牛乳及び乳製品は21倍も増加し、コメは50%減少、じゃがいもは60%減少、さつまいもは97%減少しており、大量のタンパク質、動物性脂肪を摂る一方で、炭水化物を減らした結果、日本人の疾病構造も欧米化したのである。

 

ヒトの中でも、人種によってその進化が異なり、農耕民族と狩猟民族とでは消化管の長さに違いがある。狩猟民族は動物性タンパク質と動物性脂肪の摂取量が多く、腸内での滞在時間が長くなると、腸内細菌の悪玉系が増加し、腐敗が進みやすいことから腸の長さが短くなっている。

 

 

●動物の食性と歯

 

人間の歯の総数は32本、そのうち20本が臼歯、すなわち穀物を食べる歯である。

8本が果実、野菜をかじる歯であり、肉を食べる犬歯は4本しかないため、人類の生理的な食べ物は半分以上が穀類、野菜、果実が4分の1、肉類は8分の1以下にするべきである。

 

 

●「いただきます」は「命」をいただくこと

 

白米は玄米から胚芽を取り除いたものであり、玄米をまくと芽が出るが、白米をまいても芽は出ないため、玄米には命が宿っている。

生命は価格も人智も及ばない最高のバランスであり、栄養素もきちんと備わっている。

自然界に真っ白のものはなく、真っ白い食品は人間が手を加え、その過程で多くの鋭意お嘘が減少している。

ニンジン、オレンジのフラボノイド、ぶどうのポリフェノール、トマトのリコピン、イチゴのアントシアニンなど植物の色、香りの成分のほとんどがファイトケミカルと称される免疫賦活物質である。

したがって命の宿っていない精白穀物、塩、砂糖、化学調味料などの食べ方、使い方を考えるべきである。

 

 

●基礎代謝の変化

 

基礎代謝は生命維持に必要な活動であり、その活動のために消費するカロリーを示している。

男性16歳、女性13歳がピークでその後は減り続けるが、その中で40代から50代になる時が最も減少率が大きく、体内で生産される代謝酵素の生産量も年々減少することから、若い頃と同じ摂取カロリーでいると、確実に体重増加につながる。

 

体で生産されるエネルギーの6~7割が基礎代謝として消費され残りの3~4割が活動エネルギーとして消費されると言われているが、本来、自らの基礎代謝に必要なカロリーに自分の動き方によって変動する活動エネルギーを加えたものを、自分の一日の必要摂取カロリーとした方が良い。

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第1回 『ガンにならない生き方』
第2回 『ガンにならない生き方』
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