肥満遺伝子について2 −ADRB3遺伝子 リンゴ型−[ダイエット]
(2015-02-20 16:10:59) by 中込慶一


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前回のブログ「肥満遺伝子について1」の続きとして

今回はそれぞれの肥満遺伝子について詳しくお話していきたいと思います

1.β−3アドレナリン受容体遺伝子(ADRB3):リンゴ型、糖質の代謝が苦手

−200kcalの基礎代謝阻害 

 日本人では、約34〜39%の人が持っている変異です

この遺伝子に変異を持つ人は基礎代謝量(安静にしている時のエネルギー消費量)が

変異を持たない人よりも1日あたり約200kcal低くなります

つまりエネルギーを消費しないので、「節約型遺伝子」と呼ばれ

この遺伝子を持つ場合、太りやすくなります

またお腹の周りに脂肪がつきやすいためにリンゴ型と呼ばれています


<画像:apple.jpg>


全国に広く分布しており、インスリンの分泌で少ない糖質でも効率よく体脂肪に変換してしまいます

省エネの遺伝子であり、食料の確保が困難でも、蓄えた体脂肪を使って生存しやすいタイプです

非常に遺伝しやすく、両親のどちらかがこの変異を持っていても

−200kcalの基礎代謝阻害が起こります

甘いもの(菓子パン、お菓子)や飲み物など

血糖値の乱高下が起こるような状態を好む傾向があります

グルコースなどの単糖類や果糖ぶどう糖液糖といった糖類は血糖値を急激に上昇させます

(果糖はブドウ糖と代謝する経路が違うために血糖値は上がりませんが

ブドウ糖よりも吸収が早い分余った分はすぐに体脂肪として蓄えられます) 

血糖値が高い状態が続くと、細胞が壊れてしまうため

体はインスリンを分泌して血糖値を下げようとします


<画像:blood vessel59898.jpg>

インスリンは糖を細胞の中に溜め込んでエネルギーにしようとしますが

余って使われなかったものは脂肪に変換されて蓄積されます

血糖値の乱高下はインスリンの分泌に拍車をかけて

一層肥満になりやすくなるという悪循環に陥ることもしばしばあります

空腹に弱く、お腹が空くとイライラしやすく

本人は「そんなに食べていないのに自分は太りやすい」というイメージを

持っていることが多いようです

食事を抜くことが苦手で、食事の時間になると

仕事のことは「食べてから考えよう」と思ってしまったり

食事をしながら作業をしてしまうことが多くなります

このタイプが最も生活習慣病と関連が深いと言われています

体を触ると、ふわっと柔らかいことが多く、細かいシワはさほど気にならないものの

深くて大きなシワが目立ちやすくなります

肉がないわけではないけれど、パツんと張った感じがあまりしません

特によく動かす口元のほうれい線、目尻の笑いジワ、額のシワなどが目立ちやすい傾向があります

ハリが少ないので、二重あごにも要注意です

また、糖の代謝に関連して、「糖化」(身体の中でタンパク質と余分な糖が結びついて

タンパク質が変性、劣化してAGEsという老化物質がつくられる反応)が進みやすく

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