顎関節について[人体の構造、機能]
(2014-08-12 08:16:57) by 中込慶一


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味覚に関わる食感、歯の接触状態や下顎骨の位置などの感覚情報は

刻々と脳、中脳に送られ、そこで整理統合され

遠心性の指令となって効果器である咀嚼筋群に送られます

指令を受けた咀嚼筋群は強調して活動し、下顎骨の位置をコントロールすることで

咀嚼や嚥下を行っているのです

<画像:TMJ2.jpg>
・顎関節症について

定義

「顎関節や咀嚼筋の疼痛、顎関節の雑音、開口障害運動異常を

異常症候とする慢性疾患群の総括的診断名」


3大症状

1.疼痛:関節部、頬部、こめかみ

2.関節雑音:クリック音(弾発音)、クレピタス(握雪音、捻髪音)

3.運動障害(開口障害):通常指3本分のスペースがありますが

顎関節症では、2本以下になります

<画像:TMJ pain.jpg>


重症度による分類

1度:咀嚼筋障害(顎二腹筋、胸鎖乳突筋を含む)

咀嚼筋およびその筋膜に炎症が生じたもので

疼痛は顎運動時に認め、安静時痛はありません


2度:関節包、靭帯損傷(いわゆる捻挫)

関節包や靭帯に外傷性刺激が加わった時に生じる病変

明らかに顎関節部に限局した圧痛、顎関節運動時痛を認めます

この疼痛は受賞直後に強く、経時的に軽減していきます


3度:関節円板損傷(いわゆる顎内症)

関節円板の前方変位が主な原因で、顎関節部の圧痛および運動時痛

開口時のクリックを認めます


3度a型:開口時に、下顎頭が前方変位した関節円板の下に潜り込むことができる

3度b型:開口時に、前方変位した関節円板の下に潜り込むことができない

→片側性の場合、開口時にオトガイ部は患側に変位します


4型:変形性関節症

関節軟骨や下顎頭、下顎窩などの退行性変化が主な病変で

顎関節部の圧痛、運動痛、関節雑音を認めます

咀嚼開始時に強い痛みを訴えるのが特徴です


5型:1~4のどれにも属さないもの


<画像:TMJpain.jpg>

顎関節症の原因

顎関節症の原因は多因子性です

1.咬合異常(噛み合わせ)

2.ブラキシズム(歯ぎしり、食いしばり):起床時に痛い場合など

3.ストレス

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