膝の構造と機能[人体の構造、機能]
(2014-08-05 08:36:51) by 中込慶一


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膝関節は人体で最大の関節で、大腿骨、脛骨、膝蓋骨からなる2関節の複合体です

大腿骨の関節面が2つの半球状であるのに対して

脛骨の関節面は浅い凹状の平坦な構造であることから

膝関節の骨としての適合はとても不安定です

これを補うために膝関節には


・外側、内側の半月板

・前後の十字靭帯

・内、外側側副靭帯


といった組織が覆っています


<画像:knee.jpg>

半月板は断面が三角形の線維軟骨でその機能は

?関節の適合性を良くする

?緩衝作用

?可動性を適正にする

?関節内圧の均等化

?圧迫応力の減少(骨の衝突を防ぐ)

といったものが挙げられます


<画像:knee3.jpg>
半月板は膝の曲げ伸ばしの際にそれをスムーズにするために

前後に動くという作用があります

外側半月は、膝窩筋という筋肉が付着しているため

収縮することで、後方に引かれ約12?動きます

内側半月は半膜様筋という筋肉に付着しているため、収縮に伴って5~6?動くとされています

<画像:popliteus.jpg>

<画像:semimembranosus.jpg>

内、外側側副靭帯は側方への動揺を防ぎ

関節の伸展時に緊張し、屈曲時に弛緩するという特徴があります

従って膝関節に何かしらの問題があり、膝が伸びきらずに生活していると

靭帯がうまく働かず、不安定になり損傷しやすくなります

前後の十字靭帯は、前後の膝の動揺を防いでいますが

コンタクトスポーツなどでは損傷しやすい靭帯です


<画像:knee2.jpg>


これらの安定機構に加えて重要なものが筋肉です

しかし体の使い方に癖があったり、筋のアンバランスがあると

骨の変形や痛みの原因になってしまいます

また膝関節の運動の特徴として、ロールバック機構とスクリューホームムーブメントがあります

・ロールバック機構

大腿骨と脛骨の関節の接触点は、屈曲に伴って後方へと移動していきます

これは関節がすべりの動きを持っていることで生じるもので

関節内の十字靭帯によって調整されています

この動きをロールバック機構と言います


<画像:roll back.jpg>

・スクリューホームムーブメント

膝関節は、脛骨の顆部の内側と外側の形状が異なっています

内側は中央が窪んだ凹面をしていることで、関節を構成する大腿骨は主に滑るように動く一方で

外側は平坦で、後方に向かうにつれ下方に傾斜しているため

大腿骨は転がるような動きがメインになります

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