花粉症は1970年代から増えてきた疾患で
原因の代表格はスギですが、スギは何千年も前から生育していたにもかかわらず
昔の人は花粉症にはなりませんでした
また、ある年齢から突然症状が出る人もいます
小さい時からアレルギーを発症する人の大きな原因は
小児期の消化器系が未発達の状態に多様な食品を与えるといったものがあります
またアレルギーに関係する免疫系の物質としてIg-Eというたんぱく質があり
体の入ってきた異物と反応して抗原抗体反応を起こします
花粉症が無かった時代は花粉だけでなく
寄生虫などの異物が体内に多くいたために
Ig-Eはそれぞれにまんべんなく反応していましたが
衛生環境が改善した今日では寄生虫などがいなくなった分
スギなどにIg-Eが過剰に反応してアレルギーを引き起こすという説があります
アレルギープール説では、心理的要因(ストレスなど)や環境的要因
食事、遺伝的要因(両親がアレルギーを持っているなど)といったものが積み重なることで
容器に溜まった水が溢れるようにアレルギーを発症するという考え方もあります
この場合、遺伝的要因に対しては防ぎようがありませんが
その他の要因に対しては対処が可能です
現在、花粉症の患者数は
2000万人を超えており
これは
総人口の10%以上に当たり、日本の国民病とも言われています
この背景には
、排ガスや黄砂などによる大気汚染の拡大や
食生活の欧米化による体質の変化などが関わっているとも考えられます
・花粉症の現状
花粉症を引き起こす植物は、
60種以上も報告されています
春先に大量に飛散するスギの花粉が原因である物が多いですが
ヒノキ科、ブタクサ、マツ、イネ科、ヨモギなど
ほかの植物の花粉によるアレルギーを持つ人も多くいます
特にスギ花粉症患者の7~8割程度はヒノキ花粉にも反応しています
またイネ科の花粉症患者は、一つに反応するようになると
いくつかのイネ科植物の花粉に反応することも知られており
花粉に含まれるアレルゲンが極めて類似なため、交差反応を起こしてしまうのです
スギの少ない北海道ではスギ花粉症は少なく、イネ科やシラカバによる花粉症が多いなど
地域差もあります
以前、六甲山周辺において大量に植樹されたオオバヤシャブシによる花粉症が
地域の社会問題になりました
北陸の稲作が盛んな地域では、他地域よりもハンノキ花粉症が多く発症しています
アメリカではブタクサ、ヨーロッパではイネ科の花粉症が多く
北欧ではシラカバなどカバノキ科の花粉症が多く発症しています