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2013.10.18.渡辺肇子先生 「細胞と遺伝子」

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2013.10.18.渡辺肇子先生 「細胞と遺伝子」

2013.10.18.(金)11:00~13:00


渡辺肇子先生 レベルアップ研修


(薬剤師 NPO日本メディカルハーブ協会理事)


@エルクレスト・アカデミー セミナールーム


テーマ:「細胞と遺伝子」



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〈生命をつなぐ鎖〉

 

1DNA:細胞の内部へ、DNAの構造、生命の設計図、遺伝子

 

2.タンパク質:タンパク質の生合成、様々な疾患と遺伝子

 

3.糖鎖:糖鎖とは、糖鎖の働き

 

・遺伝子、核酸、DNA

 

人間には60兆個の細胞があり、それぞれの細胞には核があり、その中に遺伝情報を持つDNAが存在しています。

 

遺伝子:遺伝する形質のそれぞれに対応して、染色体上に一定の順序に存在している遺伝単位です。遺伝子の実態は核酸で、とくにDNAが普遍的ですが、ウィルスではRNAの場合もあります。

 

核酸:DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)を指します。

ヌクレオチドを基本単位としています。

 

DNA:デオキシリボ核酸、核に局在する遺伝子の本体であり、人それぞれの個人差を生んでいるものです。リン酸基、五炭糖、塩基から構成されています。

塩基は、G(グアニン)、T(チミン)C(シトシン)、A(アデニン)の4種類あり、これにより、組み込まれた遺伝情報から髪の毛をつくる毛根の細胞や骨の細胞など、構造の異なった様々な組織のタンパク質を正確につくり出すことができるのです。

ヒトの体では約20種類のアミノ酸からつくられており、4種類の塩基が3つ組み合わさって一つのアミノ酸をつくります。

 

DNAは遺伝情報を発言するために非常に貴重なものなので、二重らせん構造になっており、もし片方の鎖が傷ついてしまってももう片方で補えるようになっています。

そのため遺伝情報を伝えるには、情報の大元であるDNAの情報をRNAに転写(コピー)して使っています。

 

HIVC型肝炎ウィルスは、RNAウィルスであり、常に形が変化するためにワクチンがつくれないという現状もあります。

 

DNAの二重らせん構造の上には塩基が30億ペア並んでおり、折りたたまれている細いDNAを引き伸ばすと約2メートルにもなると言われています。

その中には、遺伝情報として意味のある部分であるエクソンと、意味の無いイントロンがあり、エクソンの部分を遺伝子と呼び、タンパク質を生合成するための設計図です。

ヒトの遺伝子の数は22000個あります。そのため、ヒトの肉体を構築するために必要な情報は、ゲノムの中の5%以下です。

 

・細胞の構造

 

細胞膜、細胞壁:動物の細胞は、細胞膜と呼ばれる脂質の膜で覆われています。

植物やカビの仲間や細菌の仲間は、細胞壁という固い殻を持っています。例えば、ワインのコルクは、細胞自体は死んでいますが、細胞壁だけが残った状態です。

 

ミトコンドリア:細胞は一つ一つでエネルギーをつくっていますが、その発電所に当たるのがミトコンドリアです。

 

小胞体:タンパク質をつくる細胞内小器官で、粗面小胞体と滑面小胞体があります。

 

リボソーム:粗面小胞体に付着して、タンパク質を合成します



 

・タンパク質の生合成

 

DNAの一部がほどけて、RNAポリメラーゼによりDNA上のじょうほうがRNAに転写されて、mRNAができます。

mRNAは核の外に出てリボソーム上でmRNAの暗号が解読され、3つの塩基配列に対応した塩基を持つtRNAが運んできたアミノ酸がつなげられて、タンパク質が合成されます。

 

・染色体

 

染色体はヒトでは46本あり、対になっています。その構造は遺伝子が、線維となって収納されてつくられており、中央部分をセントロメア、末端部分をテロメアと呼んでいます。

大きさも様々で、一番大きいものが1、そこから一番小さい22番まで番号が付けられており、常染色体と呼ばれています。23対目は性染色体と呼ばれており、X染色体と、Y染色体があります。

XXの組み合わせでは女性、XYの組み合わせでは男性となります。

 

・第17染色体と乳がん:がん抑制遺伝子p53に関連しています。

がん抑制遺伝子p53:細胞増殖調節因子として働く遺伝子で、多くのがん細胞で変異がみられます。

21染色体:SOD

 

活性酸素を抑える抗酸化酵素で、変異により炎症、がん、老化などが起こります。

 

19染色体:アルツハイマー病

 

E2型、E3型、E4型の3つのタイプがあり、違う形のアポEたんぱくをつくります。

E2型はβアミロイドが脳神経細胞に付着するのを抑えますが、E4型はうまく抑えられません。

もし両親からE4遺伝子を受け継いでしまうと、アミロイドの付着をあまり抑えられないため、早い段階でアルツハイマー病を発症してしまいます。

 

11染色体のある変異

アルギニン、システインはアポA-1 の合成に関与します。

アポA-1HDLの表面に付いて、血管の過剰なコレステロールを回収します。

243個のアミノ酸からなるアポA-1173番目のアミノ酸がシステインになるため、S-S結合により、2個が結合した強力なたんぱく質が出現します。

通常の35倍のスピードで、コレステロールが回収されます。

 

・テロメア遺伝子とテロメアーゼの働き

 

染色体の末端部分で、同じ塩基配列が数百回以上繰り返されています(哺乳類ではTTAGGG)。

細胞分裂時のDNA複製では、テロメアは完全には複製されず、細胞分裂のたびに短くなっていきます。

テロメアーゼは、11文字の配列のRNAを持っています(CAAUCCCAAUC)。

このうち前の5文字をつかってテロメアに取り付き、残りの6文字の鋳型に合うヌクレオチドを細胞内から集めてつないでいます。

これを繰り返して6文字ずつテロメアを長くしています。

 

生殖細胞を除くほとんどの体細胞では働いていません。

遺伝子が切れて起きるある病気では、切れ目にテロメアが付け足されて、細胞が生き延びたために起きてしまったような形跡があります。

 

がん細胞では、テロメアーゼが働いているため、テロメアは短くならず、無限に分裂を続けて増殖を続けてしまうのです。

 

DNAの形状の違い

 

大腸菌:原核生物のDNAは、リング上で端がなく、テロメアもありません。そのため細胞分裂をしてもDNAは短くなりません。

 

酵母菌:真核生物のDNAは二本鎖で、DNAに運命づけられた死を持つ可能性があります。

 

・糖鎖とは

 

グルコース、フコースなど単糖が鎖状につながったもので、細胞間のコミュニケーションに関与しています。細胞膜に埋め込まれたタンパク質や脂質に結合している複合糖質です。最近の研究では、ヒトの体内の全タンパク質の50%以上に糖鎖が付加されているといわれています。

ゲノム解読完了後、ポストゲノムとして注目を集める栄養素で、核酸、タンパク質に次ぐ第三の生命鎖と言われています。

糖鎖を構成する単糖には以下のものがあります。

1. グルコース

2. ガラクトース:乳製品、コロイド天然水、燕の巣など

3. マンノース:サボテン類(特にアロエ)、燕の巣、コロイド天然水など

4. フコース:藻類(特にモズクやひじき)、きのこ類、燕の巣など

5. キシロース:穀物や植物の皮、コロイド天然水など

6. N-アセチルグルコサミン:カニなどの甲殻類、燕の巣など

7. N-アセチルノイラミン酸(シアル酸):牛乳、燕の巣など

 

 

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