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パワープレート ユーザーズミーティング 2013.3.4

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パワープレート ユーザーズミーティング 2013.3.4

パワープレート講習   2013.3.4.(土)


講師:筑波大学大学院 人間総合科学研究科

    スポーツ医学専攻 教授(教育学博士)

    

    田中喜代治先生



 

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・少子高齢化社会に対応したメディカルフィットネスへの期待

 

日本における100歳以上の人口は、1963年には153名、18年で1000名、さらに17年で10000名と爆発的に増えている。そして2012年では5万人を超え、そのうち87%を女性が占めている。

心筋梗塞、脳梗塞、自殺など8つ主要な死因は、全て女性を男性が2~3倍上回っているという実状がある。

その中で不慮の事故を除く死亡率は、運動療法を行うことで減少することが疫学的なエビデンスとして証明されている。

転倒、失禁が怖いため外に出ない、メタボを気にしすぎるあまり、食べずに栄養になるといった悪循環による生活機能の低下を総称して、老人症候群と呼んでいる。

病気を持っていても、薬を処方されていても、日々生活機能を維持する必要があり、これらの解決策としてメディカルフィットネスが注目されている。

 

子供の時には、得意不得意はあっても運動で個人差はそれほど大きくないが、高齢になればなるほど、日々スポーツを楽しむ人もいれば、寝たきりになってしまっている人もいるという個人差が大きくなってくる。

しかし運動が苦手な方、膝や腰に痛みを抱えている方などに対してパワープレートはベストなマシンである。

 

 

・高齢者と薬

 

高齢者によっては、薬が効きすぎて副作用として代謝を行う肝臓、毒物の排泄を行う泌尿器系が機能低下を起こし、薬の毒を排泄できずに蓄積し、二次的な症状を引き起こすことがある。

例えば糖尿病の薬では、低血糖、ひどい時には昏睡でそのまま亡くなってしまうこともある。高齢者は、熱中症、痛み、低血糖など様々な感度が鈍くなっているため、気づかずに症状が悪化していることが多い。

東京大学の老年病専門の秋下先生は、コレステロール、血圧、糖尿病で血糖値を下げた方が良いという考え方は、元気な中高年には当てはまるが、体の弱った高齢者に対しては不適当だと述べている。

 

以前は肝機能が低下している患者に対してのみ、運動療法は禁忌とされていたが、現在では肝機能が低下していても運動を勧める時代になっており、エビデンスも出ている。

 

高齢者には、睡眠導入剤を飲んでいる方が多く、その作用に筋緊張を緩めるというものがあること、また降圧剤も併用している場合もあることから転倒しやすくなっている。

9割の人が、朝トイレに行く際に転倒し、骨折している。

また人によって、副作用として認知機能を低下させるものもあり、頻尿のために抗頻尿薬を飲んでいる方にも同じような症状が出る場合がある。

 

フィットネスは、代謝の促進によって体に溜まった毒を排泄すると共に、脳、心臓、呼吸器系、筋骨格系に良い影響を与えることができることから、むしろ病気を持っている人こそ行うべきである。

現在は、病気を持っている人は運動を避けるべきであるというのが未だ常識としてあるがこのようなパラダイムをシフトし、新しい可能性を探るべきである。

薬の作用が重なり合って効きすぎる、又は効果を打ち消しあう、居眠りが多くなるなどの認知機能の低下に対して、フィットネス(筋肉を鍛えること)を通して、筋肉からの感覚が脳に伝わり、神経‐筋の促通が行われることで、脳が活性化されるということが数多くのエビデンスで明らかになっている。

 

中高年になるとコレステロールで悩んでいる方が多いが、茨城県で16万人を10年間に渡って追跡調査したところ、9000人が亡くなり、そのうちの2800人が心血管障害で亡くなっていた。そのデータを分析すると、220mg/dl以上のコレステロール高値の人は死亡率が高くなかった。むしろコレステロールが低い方が、死亡率が高かった。

このようにコレステロールが低い方には、コレステロール摂取を増やすような食事指導などが行われる。

そしてコレステロールが低く、高血圧の場合には血管が脆くなり、脳出血のリスクが高まるため、血圧のコントロールを指導する。

 

運動を止めるべきであるという重症高血圧は最高血圧180mmHg以上、最低血圧110mmHg以上、WHOが定める軽度の高血圧は、最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHg以上、日本の健康診断では、正常高値である最高血圧130mmHg以上、最低血圧85mmHg以上をボーダーとしており、その値でメタボリックシンドロームのリスクを一つ持っているとしているが、年齢によってはそれだけでリスクが高いとは言えないことから、多くの場合運動を行うべきである。

 

女性は、170mmHg以上、男性は160mmHg以上になると急激に死亡率が上がるが、それ以下ではあまり血圧に対して過敏になって薬を飲むといったことは必ずしも良いとは言えない。

高血圧に加えて糖尿病が重なると、心血管系疾患のリスクは飛躍的に高まる。

180~200mmHgの高血圧で糖尿病を持っていると、10万人中130人が一年以内に亡くなるとされている。99%の人はそう簡単に死ぬことはないが、極度にリスクが高い人を見つけ出すということが専門職の業である。

100歳以上の人は2050年には50万になるだろうと言われており、再生医療の発達によってはそれ以上の数になるのではないかと推測されている。

これによって高齢者は必然的に薬をもらうことが多くなり、ガンに続き心血管系の病気が多いことから、脳梗塞などで、ワルファリンなどの血液凝固阻害薬を服用している場合、出血の際に血が止まりにくくなっているため重症化しやすいといったリスクがある。

従って、運動療法においては、このように血液凝固阻害薬を服用している方に対して転倒や衝突時の外傷による出血に細心の注意を払う必要がある。

また多血(赤血球が多い人)の人は高血圧になりやすく、心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高い。

 

女性は貧血が多く、元気が出ずに生活機能が低下している場合がある。その原因としてヘモグロビンの原料であるヘム(鉄)が不足している場合と、グロビン(タンパク)が不足している場合があり、ヘムが不足している場合には鉄剤が処方されるが、赤ワイン、緑茶を飲んでいると、鉄の吸収を阻害するため、飲む場合には服用してから時間を置く、または量を減らすといった工夫が必要である。

 

ウコンは評判の高い健康食品として注目されているが、その中で鉄剤を含むウコンは、肝臓を線維化させるというデータが出ている。

 

文献によると1000人に1人が50歳で1アルツハイマーだとすると、60代で1.5倍になり、その後は5歳刻みで倍、倍に増えていき、85歳になる時には1000人のうち30人が罹患していると言われている。

 

運動、音楽などを何もしない人に比べて、運動や何かのゲームなどをしていると、認知症になるリスクは3分の1から4分の1に減るというデータが米国で出ている。

 

・体組成と健康

 

    体脂肪と筋肉

サルコペニア(運動不足で筋肉量が少ない痩せ型)

サルコピーニックオービス(運動不足で肥満)

ダイナピーニックオービス(筋肉量が少ない肥満)

サルコピニックダイナピーニックオービス(少筋量、低筋力肥満)

などが増えている。

 

    骨密度

 

男女の最大骨量は20~40代で、女性は閉経とともに急激に低下していく。

2002年のデータでは、男女で寿命は延びているものの、骨折者も増えており、女性では男性の3倍に当たる年間10万人に上っている。

日本ではBMI25以上で肥満、アメリカでは30以上で肥満とされているが、肥満の人の方が大腿骨頸部骨折の頻度が低いというデータがある。

これは肥満の人の方が骨量や筋量が高いためであり、極端に痩せている人は5倍のリスクがあると言われている。

有名な老年学者の先生は、「老いを受容しよう」と述べており、高齢になって体力を増やすことは難しくても、維持していくことが重要だとしている。

最近では、ガン患者などに病気のことを忘れ、仲間とのコミュニケーションや何かに熱中することで生きる喜びを感じてもらうためにもフィットネスが大事であるという取り組みが行われている。

 

・フィットネスとパワープレート

 

新しいメディカルフィットネスの典型例として、イタリアのテクにジムが考案したキネシスとパワープレートの組み合わせが有効であると考えており、キネシスが能動的、主体的なのに対して、パワープレートはアスリートに対しては能動的だが、患者にとっては受動的なものである。

薬やサプリメントと共にこのようなフィットネスを組み合わせていくことが、これからの時代に必要になってくる。

パワープレートは3次元の振動(上下、左右、前後)が身体に不安定性を与えることによって、人体はそれに対してバランスを取るために、反射的に高頻度の筋収縮が持続される。

 

さらにニュートンの運動方程式第2法則(力=質量×加速度)にのっとって、従来は力を高めるために質量(ウエイト)を上げていたものが、プラットホームを振動で加速させることによって重力を高めることが可能となり、ウエイトを持たなくても負荷を与えることが可能になった。

したがって膝などが痛い、運動が苦手だという方に対しても重い負荷をかけずにトレーニングできるため、運動中のケガなどがほとんどないという利点がある。

先生が行った実験では、一般の高齢者に対して30Hz、振幅Lowでスクワット、カーフレイズ、プランクを302セットずつ行った時の筋活動は、大殿筋や中殿筋は30%、大腿四頭筋では60%、下腿三頭筋では200~250%増加したという結果が出た。

これは同じポーズをとっても、パワープレートではより多くの筋肉を使えるということを表しており、緊張した筋肉に振動刺激が加わることで緊張性振動反射が起こり、レジスタンストレーニングと同等の効果があるとされている。

また筋力だけでなく、瞬発力、骨量にも良い影響を与えることができる。

 

メディカルフィットネスにおけるパワープレートの適応は、ロコモティブシンドローム、サルコペニア、脳卒中、片麻痺、パーキンソン病、膝痛、虚血性心疾患など多岐に渡る。

 

・研究成果

 

31人を対象にパワープレート群とコントロール群としてレジスタンストレーニングを行う群、対照群に分けて、実験を行ったところ、膝の伸展力がレジスタントレーニングで上昇し、パワープレート群ではそれを上回る上昇がみられた。

また、臥位から起立する時間、椅子からの起立時間、前屈の柔軟性が全て改善した。

 


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